建物や土地などの貸付によって受ける一時金は、不動産所得に含まれるのが原則です。しかし、権利金などの額数が相当な多額である場合は、土地の一部を譲渡したことと変わらない効果をもたらすときがあります。
このケースには、資産の譲渡があったものと見て、その借地権・地役権を設定することに対する価額年てもらった権利金などは、分離課税の譲渡所得に含まれます。
このように譲渡所得の扱いになる権利金などは、以下の「借地権などの設定の内容」のような権利設定でもらった権利金などの中、「対価の額数の要件」に当てはまるものになります。
1.借地権などの設定の内容
(1)建物・構築物の所有が目的である借地権の設定
(2)特別高圧地中電線の敷設を行うための地役権の設定
(3)特別高圧架空電線の架け渡しをするための地役権の設定
(4)飛行場の設置を行うための地役権の設定
(5)ケーブルカー・モノレールの敷設を行うための地役権の設定
(6)ガス事業法第2条第11項の定めによるガス事業者が高圧ガス用の導管の敷設を行うための地役権の設定
(7)都市計画法第4条第14項の定めによる公共施設の設置のための地役権の設定
(8)砂防法第1条の砂防設備である導流堤などの設置が目的である地役権の設定
(9)都市計画法第8条第1項第4号の特定街区内で建築物の建築のための地役権の設定
2.対価の額数の要件
(1)「地役権」や「構築物・建物の全ての所有が目的である借地権」の設定の場合
:権利金などが対象土地の時価の50%以上であること
また、空間・地下について上下の範囲を決めた借地権・地役権の設定や、導流堤・遊砂地、河川法の定めによる遊水地などの設定が目的である地役権の設定の場合は、対象の土地の時価の25%と以上であること
(2)「構築物・建物の一部の所有が目的である借地権」の設定の場合
:権利金などが以下の計算式で算出された額数以上であること
対象の土地の時価X構築物・建物の所有部分床面積/構築物・建物の全体の床面積X5割<権利金額
*借地権を設定する時に、通常の金利よりも著しく低い金利・無利息で金銭を借りるなどの特別経済的利益をもらう場合は、その利益の額数を足したものを権利金とみて、上記の50%や25%の判断をします。
*すでに借地権の設定を行った土地の地下に地下鉄などの構築物を建てるためにその土地を使わせるなど、土地の所有者・借地者が共にその土地の利用が制限される場合、共に権利金をもらったら、その権利金などの合計が基になり、上記の50%や25%の判断をします。